株式会社ストーンズ本店

エピソード オブ ストーンズ

 年齢は二十代中程だろうか。その青年は緊張のせいか間違いなく顔が強張っているのがわかる。青年が座る椅子の反対側に、テーブルを間にしてのけぞるように座る五十代と思われる男は、青年に浴びせ掛ける質問の度にその態度が大きくなっていて、これ以上質問すると椅子から背中越しに倒れるのでは・・・とさえ思ってしまう。青年は五分ほど前に入口のドアから入ってきて、穏やかな表情で何かつぶやいたのだが、対応した男の『はい、そこに座って!』という一言で青年の顔色は一変してしまい、体の体積が半分になってしまったのかなと思えるほど小さく、そして弱弱しく椅子に腰かけた。

 

男 『仕事は何をしてるの?』 

青年『いまはバイトで、コンビニで働いています。』
男 『お父さんは何やっているの?』

青年『サラリーマンです。』
男 『実家は持ち家なの?』

青年『いえ、社宅です。』
男 『じゃあ、難しいな〜。君、バイトなんかじゃなく、ちゃんとどこかの正社員になるつもりは無いの?』
青年『・・・いつかはと思ってますが・・。』

 

 さて、このやり取り。警察署の取調室の出来事でも、万引きを見つけられて事務室に連れて来られたシーンでもありません。昭和五十六年、私が勤めた不動産会社でのワンシーンで、部屋を借りに来たお客さまと私の上司のやり取りなのです。
 私は大学そして米国遊学(笑)のあと、多少の語学を活用出来ることと接客業を学びたいという思いから、ホテルオークラに勤めることになりました。そのホテルマン経験でいくつか驚きをもって体現したことの一つに『真の意味でのお客様は神さま』という実体験です。

 

 新入社員研修でこのような問題が出されました。
お客様にオーダーを聞いたところお客様はコーヒーを頼みました。私は『コーヒーをおひとつですね?』と確認すると、お客様は『そうです。』と云いました。そして私がコーヒーをお持ちするとお客様は『私は紅茶を頼んだ』と云うのです。
 さて、対応する正しい答えは
①お客様に『お客様はコーヒーを頼まれましたよ。』
②お客様に『コーヒーを頼まれたと思いますが、紅茶にお取り変えいたしましょうか?』
③お客様に『大変失礼をいましました。すぐに紅茶をお持ちします。』

 

 私は一応間違いはないかの確認も含めて②と思いましたが正解は③だというのです。そしてもっとビックリしたのは、そのあと紅茶を持って行ったときに、またお客様がコーヒーだ!と云ったら、同じように『大変申し訳ございませんでした。すぐにコーヒーをお持ちいたします。』としろと。何度でもと。これがオークラの接客だと。

 そんな接客イズムを叩き込まれた私が、次の転職先の不動産会社で冒頭の接客対応を目の当たりにしたら、どう感じたのかは想像に難くないと思いますがいかがでしょうか。何か間違っている!お金を払う人が敬語で話し、お金をもらう人がタメ口で話してる。お客さんが委縮して半分になっちゃっていて、営業マンの態度が二倍になってる。絶対におかしい!
 では、なぜこのようなおかしな状況が生まれているのか。探求せずにはいられなくなりました。興味を持つと接客対応だけではなく、不思議に思うことが次々に出てきました。
一、なんで新規募集のたび、更新のたびに家賃が上がるんだろう。
一、礼金ってなに?アメリカには無かったけど。
一、更新料ってなに?アメリカには無かったけど。
一、売買の広告用紙は図面入りで綺麗だけど、なんで賃貸は短冊に筆文字だけなんだろう。家を買いに来たお客さんには丁寧な接客をしているのに・・・等々。

 

 それらの答えはすべて需給バランスにありました。部屋を借りたい人の数に対して、部屋の数が圧倒的に少ない。だから丁寧な接客も必要なければ、お客さんも職業・収入・保証人・国籍など業者側・オーナー側の裁量で選べる。
 なるほど原因が分かると次に気になるのは、その需給バランスは将来的にどうなっていくのか。これを調べてみると、需要である人口は増えていかないのに対し、高度成長や相続対策にも支えられてか供給はどんどん伸びていて、あと五年から七年で需要を供給が抜いてしまうではないか!
 となると・・・部屋が余る→家賃が下がる→お客様を大切にする→そのような不動産屋さんが望まれる→よし。ストーンズを創ろう!となり、平成元年六月一日にストーンズは必要とされて世に出ることになりました。
 あれからちょうど三十年。今では賃貸業界もお客様を大切にとか、契約時の費用を如何に少なくするとか、お客様に選んでもらえるようなデザイン・設備の物件を作っていくとか、当たり前のようになってはいますが、ストーンズ・グループはこれまでも、そしてこれからもお客様に愛され、そしてその結果としてオーナー様に愛される企業を目指してスタッフ一丸となって取り組んで参りますので、今年もよろしくお願い申し上げます。

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ストーンズグループ

会長 石井 正幸

「やりたいこと」と「やらなくてはならないこと」

 新元号「令和」も早いもので2年目を迎えました。ストーンズ設立30周年の年となり時代の節目にもなりました令和元年。働き方改革関連法、出入国管理・難民認定法改正、新元号、史上最長の10連休、相続法改正、消費税率10%などの『やらなくてはならないこと』が多く、そのような最中で記録と記憶に残る台風対応などもあり、ストーンズグループが一丸となりスクラムを組んで乗り越えた!そんな1年となりました。
 また、内閣府のホームページにもあるように時代は第4次産業革命に突入しています。デジタルトランスフォーメーション(デジタルによるビジネス構造の変革)という波が不動産賃貸業界にも押し寄せ、常務の加入もありこの1年でストーンズグループのデジタル化も大きく前進しました。その一部をご紹介しますと、ITによる仲介業者からの空室確認対応の自動化、AI査定(人工知能)とスタッフ査定のハイブリッド対応による高精度かつスピーディーな賃料査定と空室対策案のご提供、いつでもどこでも学べる不動産特化型e-ラーニングによる人材育成、Google社のビジネスツールによる生産性の向上、基幹システムのクラウド化によるリスク対策などが挙げれ、今後もさらに加速させる予定です。

 そして令和2年。アルゼンチンのブエノスアイレスで開かれた『お・も・て・な・し』という招致プレゼンテーションから6年という時を経て、新国立競技場も完成し、遂に世界が注目するオリンピックが東京で開催される年を迎えましが・・・その前に120年ぶりとなる民法大改正という大きな仕事が控えています。民法大改正がよくわからない?というオーナー様は『法務省 賃貸借契約に関するルールの見直し』と検索しますと、わかり易い資料が閲覧できますのでおススメです。
 革命といわれるほどのビジネスインパクトの到来。昨年のOYOと同様に今後も賃貸市場に参入する海外・異業種企業は増えることでしょう。地域に密着する不動産会社であっても、常識を疑い、俯瞰して物事を捉えなければならなくなりました。そのような事業環境の中でも、魅力溢れる企業へと成長するためには1つでも多くの『やりたいこと』を実現させる必要があります。本年もストーンズらしくユニークな取り組みを続け、力強く前進して参りますのでよろしくお願い申し上げます。

ストーンズ

取締役社長 宮本 明

2年生になりました!

 この一年でストーンズグループ(以下ストーンズ)に入社し1年が経ちました。まだまだ毎日が勉強ですが、日々楽しく働かせていただき、振り返ってみるとあっという間の1年間でした。入社当初『自分が入ったからには、もっとストーンズを良い会社にして、もっとお客様や地域に喜んでもらいたい!』という想いを強く持ち、自分の中での3ヵ年計画を建てました。ベタですが、“ホップ・ステップ・ジャンプ作戦”です(笑)
 ですので、去年1年は自分の中では“ホップ”の年でして、言うなればジャンプの為の最初の準備の期間でした。
 何をしたかと言いますと、まずは何より不動産業界を理解すること、またお客様やストーンズの各会社や社員を理解することに尽力しました。ニュースや本を読んだり、セミナーに行ったり、お客様や同業者様に会いに行ったり、またストーンズのスタッフとは良く飲みに行きました(笑)
 更に3年後に会社がより高いジャンプをしてもゲガしないように、会社の屋台骨を強化すべく社内インフラの整備にも力を入れました。具体的にはGSuiteというビジネス基盤アプリケーションの導入、また物件管理システムと勤怠システムのクラウド化も実施し、今後管理物件が増えてもサービスレベルが低下しないようにシステム面の強化を行いました。

更にはスタッフがお客様の為により高いパフォーマンスを発揮できるように、本社の改修や手当などの面も改善すると同時に社員の教育にも力を入れました。
 ざっと振り返っても濃い1年だったなと改めて思います。ただ、これらはあくまでもジャンプの為の準備期間という位置づけです。日本はこれから世界でも類を見ない急激な人口減少と超少子高齢化社会を迎えます。その中で賃貸経営は空室問題、また高齢者や外国籍の方の入居など、多くの課題を抱えることになります。それらの課題に対応するために、我々ストーンズは変わり続けなければなりません。昨年1年間はその変化に耐えられる基盤作りに注力した年でしたので、今年は変化を生み出す種まきの年にする予定です。今年からのストーンズの“変化”に是非ご期待下さい!
 追伸:去年ストーンズのホームページをリニューアルしました!今年はそちらの方でもストーンズの変化を発信して参りますので、時々チェック頂けますと幸いです。

ストーンズグループ

常務取締役 石井 亮

 かつてオックスフォード大学の教授が、現在の職業の約半分は今後AIやロボットに取って代わられるというショッキングな論文を発表しましが、不動産テックの波は私たちの業界にも確実に浸透しつつあります。『AI査定』、『VR内覧やスマート内覧』等は既に導入が始まっており、今後は契約をはじめ様々な業務も自動化されると考えられます。仕事がテクノロジーによって代替されることは、もはや誰にも止めることはできない状況です。
 しかし現時点では、AIには1件ずつ異なる状況や事情を鑑みた案件対応はまだ難しく、人の臨機応変さや人間味が必要とされていることも事実。これからはテクノロジーで効率化できた時間で、人にしか出来ない仕事をすることが求められます。
 不動産の常識にとらわれず、時代の変化に適応した新しい視点で『賃貸の新しいニーズを創り出す』ことや『物件に競争力のある魅力を付加する』等、オーナー様の資産価値を上げる提案を心掛けて参りますので、本年も引き続きよろしくお願い申し上げます。

ストーンズ 賃貸経営事業部

部長 高木 一成

 2019年の大きな関心としてラグビーワールドカップがありました。日本中が歓喜し、ルールを知らない私もTVに釘付けになり日本の選手がゴールを目指す姿に感動しました。そして『ONETEAM』という言葉がその年の流行語大賞にまでノミネートされました。
 実はラグビー日本代表よりも前からストーンズグループのスローガンは『ONE STONE’S』でした。地域で1番の不動産会社を目指す。働いているスタッフの気持ちを1つにしよう。そして、オーナー様・お客様に1番愛される会社になろう!という意味が込められています。
 昨年実施の契約者動向調査では、一人のお客さまが内見をする物件数は3件を下回り、不動産会社訪問件数は1.5件という結果に。要するに、現在のお部屋探しではインターネット上で希望の物件を決めていると言っても過言ではありません。今後は物件も不動産会社もどのように選ばれるかが重要なのです。2020年はもっと貸したい・借りたいと選んでもらえる店舗・人材創りと戦略(魅力のある広告戦略・PC・スマートフォンからの集客強化)に力を注ぎたいと思います。本年もスタッフ一同『ONE STONE’S』の心を持って頑張って参ります。

ストーンズ・アフィット

取締役社長 正木 大